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2015-05-20

栃木県水産試験所:ヤシオマス


休みの日といえば生産者様訪問!!
そんな日が続いています。

個人的に凄く大切なことで、多くの気付きや学びを得ることができます。

 

今回は温泉で有名な那須塩原の先にある黒磯

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その山奥にある場所

栃木県水産試験場

 

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栃木の食材を調べていて、ふと思ったこと。

「栃木県は海無し県なんだよな・・・」

と同時に

「鮎とか鱒とか淡水の美味しい魚があるんだけど知らない人多いよな」

栃木県は山岳部も多く、平野部も多い。
恵まれた気候風土で多くの食材が育てられている土地でもあります。

 

その時にたどり着いたのが「ヤシオマス」なんです。

ではっ。生産者様に電話して見学可能か聞いてしまいましょう!
思い立ったが吉日。速攻電話して日取りを決め伺わせて頂きました。

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今回のヤシオマスなんですが栃木県水産試験所様が開発した魚です。

ニジマスの受精卵を28度で温度処理することで作出されます。

雌の親の体を傷つけないように、お腹に空気を送り込み
その圧力で卵を排出させているそうです。
そして卵は水に濡れると受精能力が失ってしまうとのこと!
なのでここでは非常に気を使い作業をするそうです。

その後、精子をかけて、ここで初めて水を静かに注いで受精をさせます。

受精後10分が経過したら、28度のお湯につけることで
ヤシオマスの卵となるというから驚きです。

12月に卵の生産がピークを迎え県内の養殖生産者様に出荷されていきます。

 

ヤシオマスなのですが成長に2年以上の歳月がかかり
大きさは2kgを越える大型に成長をします。
例えるならサーモンくらいです。

 

しかし!
このヤシオマスのさらに上を行くヤシオマスがあります。

プレミアムヤシオマス


何がプレミアムかと言うと「脂の質」です。

 

分かりやすい例があります。
それは「イベリコ豚」で、同じようにオレイン酸に直目されて
ブランド化した豚なんです。

「オレイン酸の含有量」

これがポイントです!

脂の成分でもあるオレイン酸の含有量が高くなると
味が変化し、養殖特有の臭みが消え、魚本来の味を感じれるというのです。

イベリコ豚も「エサ」にこだわっています。
ドングリを食べて成長していますよね。
その影響でオレイン酸含有量が高まるんです。

なので、プレミアムヤシオマスの餌もオレイン酸が多く含まれるエサを与え
自身の含有量を高め成長をさせているんです。

 

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成長する2~3年の間の一定期間に特別なエサで飼育されます。

美味しさの秘密は3つあります。

 

1 口当たりよく、上品な美味しさ

脂肪の融点が低いため、今までのマスと比べて肉質が柔らかく
ほんのりとした甘みを持つ上品な美味しさ

2 適度でとろける脂

大型のため、赤身にサシが適度に入り、脂がくどくない

3 マス本来の美味しさ

川魚特有のクセや臭みの成分が抑えられるとともに
鮮度が良い状態で出荷されるため
豊かな自然で育ったマス本来の味が味わえる

 

プレミアムにあるためには7つの基準項目があります。

その1つがオレイン酸
そしてもう6つある中で興味深かったものがです。

「サーモンカラーチャート28位上」

 

サーモンチャート?
こういうものなんです。

 

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広げると

 

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この様に色に番号が振ってあるんですが、これで28位上というのが基準なんです。

 

こういうものがあったんだと楽しかったです。

 

ちなみにオレイン酸含有量は280 mg/g以上
通常食されるアトランティッやキングサーモン、紅鮭で250以下なので
その脂の口どけが想像できると思います。

その他の基準は
臭い:着臭がないこと / サイズ出荷方法 / 防疫対策 / 記録の基準

以上です。

 

今回は開発に携わった水産試験場様の見学でしたが
次回は養殖と加工をしている生産者様のところに行ってきます!

非常に楽しみです。

 

今回の訪問で試験所の方が話してくれたことがとても印象的でした。

今の日本は様々な食材が輸入をされているけれど
やはり国産が1番という自信を持たないといけない

 

米が輸入されたとき、オレンジが輸入されたとき、牛肉が輸入されたとき

その時々で日本の生産者も消費者も騒いで慌てるけど
やっぱり国産は1番美味しい。
値段云々ではなく、やはり日本人の味覚に合っているんだということ。
逆に海外に輸出して、その素晴らしさを教えてあげたいと。
日本の食文化は世界でもまれな文化

どの国も追いつくことは出来ない日本人の繊細さ
だから、もっと自身を持たないといけないと
何度も何度もおっしゃっていました。

 

こういう方とお話ができるのは本当に心強いです。
だからこそ、色々な人に知って食べてもらいたいなと思えるんですよね。

 


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